皆さんこんにちは!
有限会社用皆建材、更新担当の中西です。
鉄骨造(S造)の解体は、“つないでいるものをほどく”作業。
接合部は溶接・高力ボルト・リベットなど多様であり、
火気と高所という2大リスクを抱えながら、切断 → 吊り降ろし → 分別を順序立てて行います。
揚重では、荷重・重心・風の3点が命。
ここでは都市部の中規模S造を想定し、切断計画・防火養生・玉掛け・クレーン選定までを現場目線で解説します。🔥🧯
1️⃣ 事前調査
図面・現地で接合種別(溶接/ボルト)と柱脚形状(露出/埋込)を特定。
特に溶接部は熱切断計画を要し、粉じん・火花の拡散経路も把握。
2️⃣ 仮設・養生
先行足場、防炎シート、火花飛散防止板を設置。
消火器・バケツ・水ホースを配置し、火気作業許可票を掲示。
3️⃣ ボルト外し・切断
解体順序は梁 → 小梁 → デッキ → ブレース → 柱。
倒れ込み防止の“残しボルト”を計画し、解体進行方向を全員で共有。
4️⃣ 揚重作業
玉掛け角度・荷重分散を確認し、重心マークを明示。
玉掛け者・合図者・オペレーターの三者で事前シミュレーションを実施。
5️⃣ 分別・搬出
鉄骨、デッキ、スラブ(RC)、断熱材を区画線で分離。
搬出動線を直線化し、4t車→10t車へのシャトル搬送も視野に。
💡 コツ:「最後の1本をどこに残すか」を全員で共有し、声掛け・合図をルール化。📣
火気作業許可書:日次発行。責任者・作業時間・場所を明記。
防火養生:耐火シート+火花受け+下階の二重遮蔽。
消火体制:粉末消火器を複数配置。退場時は「火の元確認2回」を徹底。
防炎シートの点検:穴・劣化の確認を毎朝実施。
🔥 火気作業は「燃えない」ではなく、「燃えても被害を出さない」が原則。
アウトリガー設置条件
→ 道路占用許可・地耐力・暗渠位置を確認し、鉄板敷きで面圧を分散。
機種選定
→ 一般的には25t〜50tラフテレーンクレーン。
旋回範囲・上空電線・建物間距離を確認してブーム長を設定。
合図法
→ 手信号は統一、トランシーバー併用。
合図者を固定し、誤認防止のため指差呼称を実施。
📡 クレーン作業は“指示より準備”。
一度吊ったら戻せない前提で、荷姿・重心・風速を読み切る。
夜間火気禁止のビル管理規定により、昼間切断・夜間搬出で工程を分離。
**風速観測(風速計設置)**を導入し、瞬間風速10m/sで作業中止基準を明文化。
デッキ下の断熱材飛散に備え、湿潤化+袋詰めで飛散防止。
電線・歩行者動線を常時監視し、誘導員を配置。
🧾 記録・測定・掲示を組み合わせ、
「安全・静音・クレームゼロ」の現場を実現。
| ミス | 発生原因 | 予防策 |
|---|---|---|
| ボルト残りの見落とし → 急な回転 | 確認不足 | 指差呼称+カラーチョークで“外し済み”明示 |
| 玉掛け角度過大 → 荷重集中 | 荷姿計画不足 | 2点吊→4点吊に切替、スリング長を見直す |
| 火花の養生不足 → 下階焦げ | 防火計画不足 | 不燃ボード+耐火シートで二重養生 |
| クレーン旋回範囲の過小設定 | 計画未確認 | 旋回シミュレーションで可動域を確認 |
鉄骨造の解体は、順序と合図の工事。
火気・高所・揚重の三位一体を正しく管理すれば、安全・静音・高効率が両立します。
🧠 “切る”ではなく、“解く”という発想を。
一つひとつの接合を理解し、秩序立てて外すことが、鉄骨解体の本質です。
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皆さんこんにちは!
有限会社用皆建材、更新担当の中西です。
RC解体は、“壊す”ではなく壊し分ける技術です。
騒音・振動・粉じんという「三重管理」のもと、クラッシャー/ブレーカー/ワイヤーソーを状況に応じて使い分け、鉄筋分離と再資源化率の最大化を目指します。⚙️
| 工法 | 特徴 | 適用箇所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| クラッシャー(圧砕) | 騒音・振動は中程度。粉じんは散水で抑制可能。 | 梁・柱の圧砕 | 過剰圧で鉄筋が変形しないよう注意 |
| ブレーカー(打撃) | 能力が高く、厚肉構造も対応可。 | 床版・基礎 | 騒音・振動が大きく、学校・病院近隣は時間帯制限が必須 |
| ワイヤーソー/コア抜き | 静的切断で振動ほぼゼロ。 | 隣接建物・共用壁 | コスト高だが近隣条件が厳しい現場で有効 |
💡 ポイント:
現場条件(距離・用途・構造厚・近隣環境)を基に、複数工法の併用設計が最も現実的です。
防音パネル+二重シートで遮音層を形成。
開口部は負圧集じん機を設置し、粉じん拡散を根本的にブロック。
散水ノズルを固定化し、連続的に粉じんを抑制。
測定点は「敷地境界2点+出入口1点」を設定し、騒音・振動・粉じんのログを日次で掲示。📈
📋 「データで静かさを証明する」ことが、
近隣からの信頼とクレームゼロにつながります。
1️⃣ 圧砕 → 鉄筋露出 → グラップル回収 → 磁選 → ガラ分別
→ 一連の流れを止めないことで、作業効率と再資源化率を両立。
2️⃣ 仮置きヤードは区画線で分離
→ 木くず・金属・ガラ・石膏などを明確にゾーニング。
3️⃣ 搬出動線は直線化
→ 10t車が入れない場合、4tシャトル運搬を設計段階で組み込み。🚛
♻️ 鉄筋の磁選とガラの粒度管理が、“再資源化率90%超え”の鍵。
切断+吊り降ろし方式で躯体をブロック化。
1階に商業テナントが営業中のため、高音作業は早朝集中。
鉄筋回収を徹底し、再資源化率95%を達成(社内KPI)。
騒音・振動・粉じんはすべて基準値内、苦情ゼロ。
🧾 記録と測定の「見える化」で、
クレームゼロ×再資源化×工程短縮の三拍子を実現。
| 管理項目 | 目標基準 |
|---|---|
| 災害発生 | 0件 |
| 近隣苦情 | 0件 |
| 騒音・振動 | 基準値内維持 |
| 再資源化率 | 90%以上 |
| 工程遵守率 | 100% |
KPIは現場掲示板で「日次更新」。
進捗を可視化することで、作業員の意識も高まります。
近隣へも公開することで「安心感」を醸成。📊
RC解体は、「静かさ × 分別 × 記録」の競技。
工法を混ぜて設計する“ハイブリッド戦略”
測定とログで静音品質を見える化
鉄筋・ガラを“資源”として扱う視点
🧠 “壊す”ではなく、“再生を前提に壊す”。
それが現代のRC解体のプロフェッショナリズムです。
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皆さんこんにちは!
有限会社用皆建材、更新担当の中西です。
木造解体は、解体案件の中でも最も件数が多く・近隣との距離が近い工種です。
「手壊し → 小型機 → 分別 → 搬出」という基本型を、粉じん・騒音の最小化と安全の確保という観点で徹底解説します。
1️⃣ 仮設足場・防音/防炎シート・散水設備の設置
→ 作業前に近隣への視覚・騒音・粉じん対策を完了。
2️⃣ 屋根材・建具・設備の手外しで軽量化
→ 重機負荷を減らし、解体の安全性を確保。
3️⃣ 小型バックホウ搬入、梁→柱→壁の順に分別解体
→ 重心を意識して構造を“崩さずに分ける”。
4️⃣ 材質ごとの仮置きゾーン(木・金属・ガラ・石膏)
→ 分別精度を高め、処分費を最適化。
5️⃣ 搬出・清掃・第三者目線での完了検査
→ 「見せる現場」で信頼を得る。
時間帯宣言
高音作業は午前11時前後に集中。洗濯・休憩時間に配慮。
散水ログの記録
開始/終了時刻・散水量を記録し、苦情時の根拠に。
通路清掃は1日3回(朝・昼・退場前)
ほんのひと手間で「印象が一変」します。
屋根上作業は親綱+フルハーネスを必須。
重機周囲は立入禁止、誘導員を配置。
釘・ガラスによる二次災害を防ぐため、保護具(長靴・防刃手袋・ゴーグル)を常備。
安全は“段取り”で確保するもの。
作業中の判断では遅い、が鉄則です。
木くず:
含水率・釘残りに注意。釘外しの工夫で受け入れ先が変わります。
️ 石膏ボード:
可燃混入厳禁。破砕・飛散を抑え、パレット保管で搬出効率アップ。
金属:
磁選・手選別で価値を最大限回収。リサイクル率UP!
| 日数 | 作業内容 |
|---|---|
| 1日目 | 仮設足場・シート設置、掲示・近隣あいさつ |
| 2〜3日目 | 手壊し(屋根材・建具・設備) |
| 4〜6日目 | 小型機による本体解体、分別徹底 |
| 7〜8日目 | 基礎・土間撤去(静的破砕剤併用で振動抑制) |
| 9日目 | 搬出集約・清掃・境界確認 |
| 10日目 | 整地・最終確認・写真引渡し |
| 失敗例 | 回避策 |
|---|---|
| 雨天で粉じん対策を怠る → 泥跳ね苦情 | 散水+通路養生を厚めに設定 |
| 仮置きスペース不足 → 混合化で処分費増 | 先に庭・駐車場を仮置きとして確保 |
| 搬出時間が通学時間と重複 | 学校カレンダーを反映した工程表を作成 |
木造解体は「壊す技術」ではなく「気配りの技術」。
養生と散水で静音・粉じんをコントロール
分別精度でコストと環境負荷を最適化
近隣との信頼関係が次の案件を呼ぶ
“見られている現場”こそ、良い現場。
静かで清潔、そして安全な現場づくりが、クレームゼロと信頼の第一歩です。
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